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Uゾーンとの交信状況

Uゾーンとはかつてのソビエト連邦を構成していた15の共和国のことをいいます。これらの共和国はソ連邦崩壊前も独立したエンティティーとしてカウントされ、しかも交信しやすいのでエンティティー稼ぎとしては重宝しました。15の共和国以外に、南極、Franz Josef Land(バレンツ海の島嶼部)、Kaliningrad(バルト海の飛び地)が別エンティティーで、さらにロシアはアジア地域とヨーロッパ地域で別エンティティー扱いとなるため、都合19エンティティーという大票田となっています。

先日来、段ボールに入ったままのQSLカードの整理が完了したのでUゾーンについても交信状況を調べてみました。では、Uゾーンとの交信状況です。wkd=worked(交信済)、cfm=confirm(QSL受領済)のことです。アマチュア無線ではQSLカードがないことには交信したとみなしてもらえないので、なんとかしてQSLカードを取得しようと躍起になるわけです。 QSLの表示をクリックすると当該局のQSLが表示されます。

現行プリフィックスEntity旧プリフィックスCALLBand(m)Modewkd/cfm
R1AAntarctica4K1not QSO
R1FFranz Josef Land
4K2
not QSO
RA2,RN2,RU2,RV2,RW2,RX2,RY2,RZ2KaliningradUA2UA2DC20CWQSL
EM,EN,EO,UR,US,UT,UU,UV,UW,UX,UY,UZUkraineUBUB5VEE20CWQSL
EU,EV,EWBelarusUCUC2SLO20CWQSL
4J,4KAzerbaijanUDUD6DLJ20CWQSL
4LGeorgiaUFUF6QAM20CWwkd
EKArmemiaUGUG6GAF20CWwkd
EZTurkomanUHUH8EAD20CWQSL
UJ,UK,UL,UMUzbekistanUIUI8ACG20CWQSL
EYTadjikistanUJUJ8JKK40CWwkd
UN2-0,UO,UP,UQKazakhstanULUL7TBQ20CWQSL
EXKhirigizstanUMUM8FM15CWQSL
ERMoldovaUOUO5SM20CWQSL
LYLithuaniaUPUP2BAR20CWQSL
YLLatviaUQUQ2GDC20CWQSL
ESEstoniaURUR2RWA20CWQSL
RA,RN,RU,RV,RW,RX,RY,RZ 1,3,4,6,UA-UI 1,2,4,6European Rossia
UA1~UA6UA1ABC20CWQSL
RA,RN,RU,RV,RW,RX,RY,RZ 8,9,0,UA-UI 8,9,0Asiatic RussiaUA8~UA0UA0BL15CWQSL
U-zone との交信状況(01.Oct.2024現在)

QSLカードを紹介していきます。

↑ リトアニアとポーランドに挟まれたロシアの飛び地カリーニングラードのQSL。UA2DCの住むチェルニャホフスキーはカリーニングラード州の中心都市です。

↑ 現在紛争中のウクライナ。現在もアクティブに聞こえてきますがソ連邦時代もかなりの局数がいたようで複数のQSLがあります。

↑ ベラルーシ(白ロシア)。なぜ白ロシアと言われるのか?・・・白海に近い地域が白ロシア、(因みに黒海に近い地域は黒ロシア、紅海に近い地域が紅ロシア)という説明を見たことがありますが、白海って北極海なんで全然離れているんですがねぇ・・・? ここもたくさんの局がいます。

↑ カスピ海西岸の国、アゼルバイジャン。カスピ海は東欧と中央アジアの境界になりますがアゼルバイジャンはアジアに属します。こことはUD6DLJを含めて2局しか交信できていません。

↑ 黒海の東、トルコとアルメニアと国境を接するジョージア。かつて、グルジアと呼ばれていましたがロシアの軍事侵攻に伴いロシア語読みのグルジアから呼称変更になりました。(ウクライナの首都キエフ → キーウのようなもの)。残念ながら、交信はUF6QAMのみでQSLは回収できていません。

↑ 前記のジョージアの隣国、アルメニア。東にアゼルバイジャン、南にイラン、西はトルコと国境を接しています。ここもUG6GAFのみの交信でQSL未回収です。

↑ カスピ海の東側にある国、トルクメニスタン。国土の85%がカラクム砂漠になっています。この国とは3局交信して、全てQSLをもらっています。

共産国らしいカードではあるのですが、カードの肖像が気になったので調べてみると、肖像の人物は「エルンスト・テオドロヴィチ・クレンケル」という北極探検家で、左上に見えている「RAEM」は彼の持つコールサインのひとつです。カードの右端中央に見えている「UPOL」は彼が北極から運用した時のコールサインで、これらのことはPractical-Wireless 1983年1月号(P.30~P31)に詳細が掲載されています。「ソ連邦英雄」の称号が授与されているので、旧ソ連邦の規格QSLカードになるのもうなずけます。

↑ 中央アジアの国、ウズベキスタン。有名なサマルカンドはシルクロード沿いの町でイスラム建築の歴史的建造物が多数あるところです。ここも複数の局と交信しています。カード自体は旧ソ連のカードに多いパターンで、コールサインをスタンプで押印しているので、違うコールで同じデザインをよく見かけます。

↑ 中央アジアの国、タジキスタン。南にアフガニスタン、東に中華人民共和国、北にキルギス、西にウズベキスタンと国境を接しています。何局か交信はしているのですが、全くQSLの回収ができていません。比較的アマチュア局の少ないところなので、なんとか早く回収したいものです。

↑ 中央アジアの国、カザフスタン。このあたりの国名は○○スタンという国が多いのですが、スタンとはペルシア語で○○の国とか○○の多いところ、という意です。内陸国としては世界最大の面積がありますが人口密度は1平方キロ当たり6人以下と世界でも低い国になります。ただアマチュア無線はアクティブで10数局と交信できています。これはロシア本体以外では一番多い局数です。

↑ かつてキルギスタンといわれていました。カザフスタン、中華人民共和国、タジキスタン、ウズベキスタンと国境を接している内陸国で、有名な天山山脈がそびえる綺麗な国です。この局のQSLはU-zoneでは珍しく夫婦連名となっています。4局とQSO、うちconfirmは2局です。

↑ 西はルーマニア、北東南はウクライナと国境を接する国、モルドバ。UO5SM局は首都のキシナウのアマチュア局です。

↑ ここから、バルト三国になります。最初はバルト三国の最南、リトアニアです。首都ヴィリニュスではゴシック様式、ルネッサンス様式、バロック様式の建築物や 18 世紀の大聖堂を見ることができます。ソ連崩壊後は独立しプリフィックスがLYになったので現在「UP」はカザフスタンに割り当てられています。ある意味貴重なQSLカードといえます。

↑ バルト三国の真ん中の国、ラトビア。首都のリガは「バルト海の真珠」と例えられる美しい港町で世界一美しい国(First Choice)ともいわれています。アマチュア局はあまり多くないようで、交信したのは旧ソ連時代の1局 UQ2GDC と独立後の YL3AD のみですがいずれも confirmed です。

↑ バルト三国の最北の国、エストニア。エストニアは旧Uゾーンですが、第二次大戦中にソ連に占領された歴史から旧ソ連構成国ではないとしています。エストニアも旧ソ連時代の UR2RWA と独立後の ES1WN の2局だけですがいずれも confirmed です。

↑ ロシア本体は前述のようにヨーロッパとアジアに分かれています。このカードは European Rossia のもの。旧都市名のレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)の表記があります。俗に雑魚といわれるだけありQSLカードは相当数に上ります。

↑ Asiatic Russia のQSL。各バンドで聞こえない日はないぐらいよく聞こえてきます。雑魚のロシアでもダントツに多いのがこの地域です。この局は「ミヌシンスク」の表示がありますがシベリアの小都市です。

ロシアは南極とFranz Josef Land を除いて一応全て交信しているのですが、前述のようにUゾーン内では比較的珍局の部類の(?)ジョージア、アルメニアのQSLが回収できていないのが痛いところです。

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