アマチュア無線家にとっては太陽の活動度は非常に気になるところです。太陽の活動期(極大期)には電離層のイオンが増加することで短波帯のみならず超短波帯でも容易に海外との通信をおこなうことができるからです。ただし活動期には太陽フレアが頻繁に発生するようになります。前々回のサイクル23の時には比較的大きな太陽フレアが発生しそれが元で大規模停電が発生したり人工衛星に被害を及ばしたりすることもあるので厄介です。2月に入ってからはXクラスのフレアが連続して発生しているのもちょっと気になるところです。フレアが発生すると光速に近い速度でやってくるX線等の電磁波が電離層に影響し昼間帯の短波帯に影響が出ます。これがいわゆるデリンジャー現象(突発性電離層擾乱)で、フレアの規模によりますが大体数時間程度短波帯の通信ができなくなります。(中波帯や超短波帯は影響がありません。)前述の長距離通信が容易にできることと、突然通信ができなくなることが同時に発生してしまうことが太陽活動期には起きてしまうのです。
太陽フレアの発生から数日後にはプラズマがやって来ます。これがオーロラを発生させるのですが、オーロラだけでなく地球磁場に影響を及ぼす規模になってくると誘導電流による送電線やGPSなどにも影響が及ぶことがあります。ところで、X5.0という比較的規模の大きなフレアが発生した1月1日に能登半島地震が発生しました。1億5,000万キロメートルも離れた直径139万キロメートルという巨大な恒星はまさにちょっとくしゃみをするだけで地球に大きな影響を与えています。ただ、現在のところフレアと地震の関連性は無いようです。
年月日 | 発生時間(JST) | 規模 |
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2024年1月1日 | 06:55 | X5.0 |
2024年2月9日 | 22:14 | X3.3 |
2024年2月16日 | 15:53 | X2.5 |
2024年2月21日 | 08:07 | X1.8 |
2024年2月22日 | 15:32 | X1.7 |
2024年2月23日 | 07:34 | X6.3 |
↑ 2024年2月24日13:34JSTの宇宙天気予報。中規模な太陽フレアが発生しています。
↑ 2024年2月23日7:34JSTの太陽フレアを伝える臨時情報(NICT H.P.より)
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