今年の七夕は七並びの令和7年7月7日。7並びの消印の話は別の機会に譲るとして七夕伝説は中国が発祥のようです。南北朝時代の「荊楚歳時記」に牽牛と織女が会合する夜と明記されています。
なぜ、7月7日に会うことになったのかは前出のwikipediaによると二説あるようですが、一般的によく言われているのは働き者の二人が一緒になった途端、仕事をしなくなったことで神様の逆鱗に触れて離されてしまい年に一度だけ会えるのが7月7日、だという話ですね。では、本当に七夕の夜に二人は無事で会うことができるのでしょうか?
七夕にまつわる話にはいろいろあって、例えば七夕の前の日に降る雨のことを「洗車雨」といいます。これは牽牛の牛車を洗う雨という意味です。では、七夕当日の雨はというと「催涙雨」。雨で天の川を渡ることができず二人の涙が落ちてきたもの、といわれています。

閑話休題、牽牛星はアルタイル(わし座α星)、織女星はベガ(こと座α星)のことで実際のところこの二つの天体間の距離は約15光年あります。光の速さで15年かかる距離って・・・1光年が約9兆5,000億Kmですから15光年だと約143兆Km!!ということになります。地球と太陽の間の距離が約1億5,000万Kmですから、その95万倍!!という途方もない距離、離れているわけで仮に光速出せる船であっても15年に1回しか会えないことになってしまいますwww

ちなみに、特殊相対論によると質量のあるものが光速を出すためには無限大のエネルギーが必要にになるので実際に高速を出せる船は不可能です。光速の10分の1であっても、途方もないエネルギー(1tのペイロードを1/10cに加速するのに要するエネルギーは 108Mt(メガトン)TNT相当)が必要になります。かつて世界最大の水爆といわれた「ツァーリ・ボンバ」の威力が 50Mt と言われているので「ツァーリ・ボンバ」2発あればできそうな気がしますが、実際にロケットに水爆を積んだとしても爆発の威力でロケット本体は破壊されるどころか跡形もなくなってしまうでしょう、というオチです。
1977年(昭和52年=私が19歳の時www)にNASAが打ち上げた「ボイジャー1号・2号」は木製、土星、天王星、海王星を探査したあと2025年7月現在、地球から約250億Km(地球と太陽の距離の167倍)の距離にいます。地球から電波を送っても23時間かかります。ただ、前述のベガとアルタイルの距離からするとほんの僅かな距離(ベガとアルタイルの距離 ÷ 地球とボイジャー間の距離 = 約5,720倍)です。ボイジャーは48年間で250億Km進んでいるので1年間で5.2億Km。ベガとアルタイルからそれぞれがボイジャーに乗って天の川の中間で出会うことにしたとしても、137,500年という途方もない年月がかかることになります。
なんとも夢のない話になってしまいましたが、今宵は遠い星々に心を寄せた昔の人のロマンにあふれる話に心を寄せたいと思います。
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