1996年の引っ越し以来29年間、放ったらかしにしていた未開封の段ボール箱もさすがにあと一箱になりました。(てか、まだ未開封のものがあったんかwww)。どんなお宝が入っているかと思って開けてみたら標題の「Bencher MK-1」が出てきました。



↑ 写真左 : 斜め上から見たところ。メモリー用のタクトスイッチが4つついています。少し固めなので使い勝手はあまりよくありません。 写真中 : 正面からみたところ。Speedと書いてあるのが速度調整用のノブになっています。プログラマブルになっていて速度範囲は可変できます。 写真右 : 背面からみたところ。 +12VDC入力、パドル入力、無線機出力用のRCA端子があります。
当時、同様の機能があった国産の「MK-1024」がありました。こちらはTTLベースでメモリ容量が256bit x 4 =1,024bit なので製品名はここから取ったものだと思います。「MK-1024」はパドルが付属しているのとメモリー用のタクトスイッチが小型で使い勝手はよかったことを記憶しています。但し、メモリー容量が少ないのとMK-1のように埋め込みコマンドが使えないなど、細かい点で差異がありました。



↑ 写真左 : MK-1024外観 写真中 : MK-1024背面 写真右 : MK-1024内部(TTLが10個並んでいます) 写真は”https://rigpix.com/cwgear/katsumi_mk1024.htm“より拝借しました
私も「MK-1024」を使ったことはあるのですが、Bencher 製のパドル「JA-2」に憧れ、MK-1とともに大枚はたいて買ったので完動状態で誰かに譲ったと思います。「JA-2」と「MK-1」の当時の販売価格は忘れてしまったのですが「JA-2」は今でも販売されているようで、某業者で販売されているものは40K円ほどの価格表示になっていました。また、オークションサイトでも20K円前後で取引されているようです。MK-1についてもオークションサイトを覗くと12K円前後で取引されています。


↑ 写真左 : MK-1の内部です。006P電池はメモリーバックアップ用です。短時間であればこれで運用することもできますが外部電源を推奨されています。 写真右 : MK-1024はTTL-ICが10個使われていますが、本機は8-bitマイコン(68HC705C8)1個でエレキーとメモリー機能をやらせているのでとてもシンプルです。このマイコンのRAMの容量は192バイトなので単純に「MK-1024」の1.5倍の容量になります。1文字あたり1バイトを使っているので1チャンネルあたり48バイト(=48文字分)になります。
買った当時は単純なメモリーキーヤー(CQ CQ de JH3UWZ JH3UWZ K)程度としてしか使っていなかったと記憶していますが、今改めて取説を見てみるとなかなか多機能で、そのひとつに「埋め込み機能」があります。これは入力モードをキャラクターモードにしたうえで語間に”/”を入れることでコマンドになる、というものです。コンテスト等で「JA3QRZ UR 59927 27」と打ちたい時に「JA3QRZ UR 599 /SD5 27 27 /SU5」としておくと赤色マーカーのところは所定の速さで打ちますが「/SD5」コマンドで青マーカーのところだけ5WPM遅くし「/SU5」コマンドで再び元の速さに戻す、といったようことが行えます。
他にも速度調整用ボリュームを任意の位置ですべてのタクトスイッチを同時に押すことでその位置が20WPMになる機能。これは案外便利です。次に便利なのがウェイトの調整。タクトスイッチの1、2を同時に押すとコマンドモードになってモールス符号の”F”が送られてくるのでこの状態で”W54″にすると短点間のスペース比を54%にします。(因みに正確な短点間の比は50%です)これで符号がやや重たくなります。極端な設定も可能(25%~75%)ですが私的には”W54″ぐらいが心地よく感じます。(もちろん主観なんでもっと軽いのを好まれる方もおられます)
便利な時代になったもので今や普及帯の低価格無線機にもエレキー機能が標準で搭載されしかも8チャンネルのメモリー機能までついてています(IC-705の場合)が、前述のウェイトや埋め込み機能まではありません。MK-1は30年も前の機械ですが基本的な機能は変わることはないのでせいぜい使いこなしていきたいと思っています。
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